高齢の患者に対する心のケアについて

患者の心をケアすることも看護の仕事ですが、高齢者に対する接し方には特に注意しなければいけません。高齢者は自身の年齢に対する不安を感じていることが多く、怪我や病気で体調が良くない事実も相まって非常に弱気になっていることがあります。そのような患者には安易に同情したり励ますのは決して良い接し方ではありません。親子より年齢の差のある相手から励まされてもあまり良い解釈をされないことが多いためです。

高齢者の患者の対応は、年齢がより近い人が行うのが心のケアには向いていますが、適した相手がいない場合は敬意をしっかり持って接することを心がけます。人生の先輩であると認識し、礼儀正しく接するのが患者の心を開くのに効果的なのです。自分の体の具合が悪く、思い通りに動かせない事実へのもどかしさは患者自身が最も強く感じていることです。高齢者の場合は加齢による体力の低下もあるため、常に不快な思いをしていると言っても過言ではありません。そのような患者に対しては決して軽く扱うような態度は取らず、体を労わりつつも失礼の無いように接することが大切です。心のケアは何よりも相手を敬うことが重要なので、赤ちゃん言葉を使うなど子供扱いするのは決して行ってはいけない事です。

高齢者に対しては加齢による体力の低下を医学的な面で指摘するのは必要な事ですが、それをネタに笑い話にするのは非常に失礼な行為です。家族のように接するのと無礼な態度はまったくの別物であることを理解する姿勢が重要になります。