心のケアについてもっと考える

看護師や医師、また介護士といった医療に携わる職種の方にとっては、切っても切れない問題として「患者の心のケア」があります。難病を抱え通院をしている患者や、精神科などメンタルケアが必要な患者以外にもそれを望んでいる声は多く聞かれているのが事実です。例えば「医師の忙しさは理解できるが、毎回の診療時間が短い」といった意見です。医療としては足りている・身体は良くなってきている、そういった事実は患者側も理解して感謝していますが、不満として在るものは「この病気への不安感を聞いてほしい」などの心のケアを求めるものです。

また、こういった声は患者本人だけではありません。通院患者や難病患者、日常の介護を求められる家族たちも、医師や看護師からの心のケアを求めています。介護疲れや老老介護など、介助者の問題も社会問題として取り上げられる昨今では、介助を強いられる周囲の人間への配慮も見逃せない部分ではあるでしょう。患者だけでなく、介助者が精神的に追い詰められてうつ病になってしまうような事例も今や少ないものではありません。

本業である医療行為だけが医師・看護師の業務だとは言えない時代になってきました。「顧客」が「病気に困った患者」という特殊な現場である医療関係の仕事では、困っているというこの気持ちのケアすらも求められている現実があるのです。セミナーに参加するなど、精神科医以外もメンタルケアへの知識を高めることが大切だと言えます。